こんにちはみなさん。
先日 書店で目にとまり、立読みし始めたんですが、これは もっとじっくり読みたい、と即、購入してしまいました。
「絶筆で人間を読む」 ~画家は最後に何を描いたか~
中野京子著 NHK出版新書 ¥1,100円+税
ボッティチェリやラファエロ、あるいはフェルメールやミレーなど、現代に名を残す15人の画家の生き様や時代背景、そして それぞれの、人生の最期に描いた作品を紹介、解説している とても興味深い書籍です。
私は 絵描きのくせに、美術史には明るくありません。
美術史がらみで何か書こうとすると 知ったかぶりになる可能性が高いので(笑)、詳しい内容は本書に譲りますが、一読して思ったのは 巨匠たちも みな必死だったんだなあ、ということです。
その時々の 権力や政治、戦争などに翻弄されながらも、安定した生活を得るため 名誉を得るため、一生懸命に生きていたのだ、と思うと、なんだか名立たる巨匠たちが可愛らしく見えてきます。
また 若いころから人気、実力ともに兼ね備え、晩年まで精力的に描き続けた画家もなかには出てきますが、そういう人はむしろまれで、紹介されているほとんどの画家はみな、絶頂期、全盛期があって その時期以外はとても不遇な生活を強いられていた、というケースが多いようです。
フェルメールはここ数年、日本でも人気ですが 彼のように この世を去って200年も経ってから注目されて…ともなると、生前、どんな生活をしていたのか 本当のところは誰にも分かりません。
決して不幸という訳ではなく、小市民的に愛された人のようですけど。
あの静謐な絵からは想像出来ませんが 子供も10数人いたというし 意外に賑やかな暮らしぶりだったのではないでしょうか。
最期は43才の若さで亡くなってるけど…( ̄▽ ̄;)。
丹念に 細かいエピソードを取り上げていて、でも小難しくなく 画家の俗っぽい部分も捉えていて面白い本です。
興味のある方はぜひ(⌒‐⌒)。
自分はすでに全盛期を過ぎているのでは…って、読んでいてふと怖くなりました(~_~;)
美術史に残るような作品が描けるよう 頑張りますです。